小学1〜4年にツェルニーなんて「いーみないじゃ〜ン!」

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おそらく、子供の頃、ピアノを習ってきたお母さんなら、ツェルニ−にハノンという定番の練習曲をやった人は多いと思います。

このツェルニ−という本は100番、30番、40番、50番、60番と、およそ5冊ものシリーズの練習本になっており、60番までやらなければテクニックがつかないと言われて、いやいや練習した方は多いと思います。

そして、お母さんが、自分がテクニックがつかなかったのは、ツェルニ−を真面目に練習しなかったからと勘違いしている人がいるかもしれませんが、それは間違いなのです!

その証拠に、けっこう真面目に40〜50番あたりまで練習してきたお母さんにあえて聞きますが、今現在、本当にテクニックに困っていませんか?

そして、あなたは、もしかして、「ハイフィンガー」というテクニックを教わりませんでしたか?

本当にテクニックをつけるには、腕の重さが必要です。その重さがつくのはせいぜい、小学5〜6年になってやっとなのです。

ですから、その学年以前にツェルニ−などは練習してもあまり意味がないのです!

このことは他のページでも何度もいっているように、日本ではこの事が未だに改善されていません。

詳しい事は、このページで紹介するとして、はたして小学1〜3年生がツェルニ−や、バーナムまでも!練習する必要があるか?

私はあえて言いますが「する必要性はありません!」

まあ、バーナムなどは非常に優しい練習曲だし、子供には親しみやすい曲の様にもなっていますので、子供が興味を持つのであれば、練習するにこした事はないとは思いますが、しかし、あれでテクニックがつくわけではありません。(読譜力や、びんしょう性、リズム感は養われるとは思います。)

もちろん、子供にとっては多少の指の強化は必要です。ですから、バーナムを使う事により、指は強化されるでしょうが、しかし、それはふだん練習している教則本の練習で十分でしょう。

それよりも、ツェルニ−を練習する事により、本来子供が学習するべき、音楽性や、読譜の訓練はないがしろにされかねないのです。

私は本来、子供の指導は、テクニックよりも、読譜力、表現力、ソルフェージュ力の養成の方がより大事だし、この3つの要素すべてを鍛えるには子供の時でしかない!子供の時を逃したら、手遅れになる!テクニックなんかは後回し!・・・と思っています。

それより、バーナムや、ツェルニ−などの練習曲を使う事により、逆に弊害が出る事もあります。それは、ピアノを、力任せに弾く癖をつけてしまう事です。

こうなると手は物凄い力が残っている、こわばった状態でピアノを弾く事になるのですが、この力を入れている弾き方はちょっとやそっとでは直らない!

日本の指導者はこの、ハイフィンガー奏法から、重量奏法(重力奏法)に切り替える事がどんなに大変な事かを知らないのではないでしょうか?

では、子供が難易度の難しい曲を弾いていてどうしても音量が出ない、タッチが弱い、などといった時にはどうしたら良いのか?

方法はいくつかありますが、最良の方法は、なるべく腕をだらりと鍵盤にぶら下がるようにして(手はこの場合、どうしても平らな形になってしまうが)その、ただでさえ軽い腕の重さを最大限に使って弾く方法があると思います。

もしくは,上半身を前のめりにして上半身の重さを最大限、指にかけて弾く。

しかし、元々弱い指にそれを強いるのは、これも限界があるでしょう。

裏わざの一つに・・・腕の筋肉をつけるためのスポーツ用品(鉛が入っている腕バンドのような物)あれを腕に巻けば、必然的に腕の重さが重くなって、楽に大きい音が出る事は出るので、まあ、その場しのぎにコンクールなどでは試すのも一つの選択肢ではありますが・・・なんか「星飛雄馬」って感じですな!

どちらにしても、小学生低学年はツェルニ−などのような曲を練習する事は意味ないと思います。